台湾におけるマンガ業界の現状
台湾というと日本のアニメ業界にとっては大きな顧客となっている国です。
中国本土に比べて親日的な雰囲気の強い台湾においては、日本産のアニメの人気が非常に高く日本で人気のアニメや声優・アーティストのライブも数多く開催されています。
日本的なオタク文化がある意味日本以上に受け入れられていると言ってもよいところなのですが、自国内におけるコンテンツ制作ということで見るとかなり厳しい状況に置かれているというのが現状です。
日本国内においても漫画家やイラストレーターといった仕事は決して恵まれた就業環境にあるというわけではないのですが、台湾においてはさらにそれが進んでおり実質上漫画家やイラストレーターとして仕事をしていくことがほぼ不可能といったような給与状態が出来上がっています。
具体的には漫画家として週刊誌デビューをしたとしてもそこで得られる原稿料は平均で1ページあたり約3500円となっており、それが単行本として販売をされても原作者に入る印税はわずか8%で実質的にそれで生活ができている人はごくごくわずかとなっています。
進む日本国外での下請けコンテンツ制作
現在放映中のアニメなどを見ても、クレジットに海外の会社や外国人の名前が並べられるということは決して珍しくありません。
これらは日本国内でのアニメ制作が安価に下請けされる台湾やその他の東南アジアに下請けされているということから起こる現象です。
日本で放映されている有名作品のほとんどが現在何らかの形で外国人スタッフの手により下請けをされているという現状もあります。
一見そうした海外への下請けは悪いことばかりのように思われますが、そうして技術が他国に定着をすることにより海外発の優秀なコンテンツが生まれる土壌が整いつつあるというふうにも言えます。