依然として人気の高い金融系
大学生にとって「なりたい職業」とは、そのまま就職活動をする企業・業界ということになります。
そのため小中学校のときの回答とは異なり、より現実的な労働環境や給与水準を調べた上での希望として選ばれます。
かつて大学生から人気の高い職種として挙げられていたのは、安定性の高い公務員や大企業でしたが、現在では例え大企業においても不安要素が全くないわけではないことから、実際の経営内容をじっくりと調べた上での選択がされています。
銀行業は公務員と並んで安定した高収入が望める仕事として、昔から大学生には人気のある業界でした。
「日本の銀行は潰れない」といったような神話もあった頃の話ですが、ご存知の通り現在では必ずしも大きな銀行だからといって一生安泰というわけではありません。
しかしながら他の企業と異なり、もし経営的に行き詰まってもそのまま倒産となることはなく救済のために公的資金が入れられたり、他の銀行と合併したりして存続ができるということもまたわかるようになっており、そうした将来性をみて銀行への就職を希望する学生も多くいます。
銀行員の仕事とは
「銀行員」という名称は特に資格が必要なものではなく、銀行で勤務をする人全般をさします。
銀行内には窓口で受付をする人の他、資金融資をするための手続きをする係や、銀行を使って送金や決済を行う顧客の管理をする係など複数の担当者がいます。
銀行業務は大きく分けて預入と貸付がありますので、その2つを同時に行っていくためのしくみがあるのです。
銀行にもいくつか種類があり、全国展開をする都市銀行の他、地域密着型の地方銀行や、最近増えてきている外資系銀行、ネット銀行といったものがあります。
また少し種類が異なりますが、銀行のための銀行である日本銀行へ勤務をするのも広義の「銀行員」ということになります。
銀行に就職するときには、それぞれの銀行の特性をきちんと把握しどのような営業をどんな規模で行っているかということを調べて選ぶようにしましょう。
広がる銀行のサービス
かつて銀行が安定的な仕事を言われていたのは、金融に関する規制が日本国内では大変に厳しく、新たに企業などが参入する余地がほとんどなかったということにあります。
そうした規制は日本国内の経済を支える重要な要素になってきた反面で、銀行内部での新たなサービスを生み出す企業努力や、諸外国の金融企業と対抗するための競争力、さらには企業内での自浄作用をも奪う結果にもなってしまいました。
しかしながら現在では規制緩和の影響から、数十年前にはなかったような外資系銀行やネット銀行がどんどん参入してきており、幅広いサービスが展開されるようになってきています。
その影響もあって、老舗の大銀行でも新たな金融商品が販売されており今後も新しい方法での営業がされていくことになるでしょう。
これから銀行員になっていくということは、そうした新しい銀行の姿を作っていけるという大変にやりがいのあることでもあります。