不動産鑑定士の仕事内容
不動産鑑定士とは、土地や建物といった不動産に対し、その価格を算定するための専門業務です。
不動産の鑑定をするためには、土地そのものの形状や広さ、建物の強度や築年数、またその時期の周辺の取引状況など、複数の要因により決定をする必要があります。
そのため従事をするためには「不動産の鑑定評価に関する法律」にもとづき、資格を所有している人だけが行うことができると定められているのです。
「不動産の鑑定評価に関する法律」では不動産鑑定士になるための資格取得についても詳しく定められており、年に一回行われる資格試験に合格をすることで登録をすることができます。
この資格試験は現在日本国内で行われている国家資格の中でも特に難易度が高いSクラスとして位置づけられているのもので、合格をするためには専門学校や通信教育などで試験対策をするという人がほとんどです。
なお、不動産鑑定士には受験資格がありませんので、年齢にかかわらず目指すことができます。
実際の不動産鑑定士としての業務としては、不動産鑑定事務所に勤務をして依頼によりそれぞれの不動産の価格を査定していきます。
年に一回国土交通省により地価公示価格が公表されますが、その調査を行うのも全国の不動産鑑定士です。
逆に言うと毎年定期的に不動産鑑定の仕事があるということになりますので、不動産鑑定事務所に就職をすることで安定的な収入を得られます。
その他にもこれから土地の売却をしようと考えている人や、競売にかけられる土地建物がある場合なども、不動産鑑定事務所に依頼が寄せられることになるでしょう。
業界の現状
不動産鑑定士は非常に専門的な業務であることから、資格を取得することにより安定的な仕事をしていきやすいと言えます。
ただし不動産鑑定士に多くの依頼が来るのは世間的に不動産取引が活発になっている時期ですので、不況になり不動産の売買件数が減少すればそれだけ仕事の数も少なくなります。
現在は2020年の東京オリンピックに向けて土地建物の取引が活発になっているので、不動産鑑定士にとっては稼ぎ時です。
問題は東京オリンピック終了後からで、その後の予測をどう付けていくかが、不動産鑑定士としての生き残りをかけることになるでしょう。
やりがい
不動産鑑定士の仕事はクリエイティブ的な側面のない、地道なデータ調査に基づくものです。
そのため、資質として細かいデータに基づいて正確な数字を算出していくということが求められます。
安定的な仕事ができるため人気の仕事ですが、実際には地道な作業が続きますので、コツコツと積み重ねて一つの結果を出すということに喜びを感じるタイプの人に向いていると言えるかもしれません。
また、職業柄多くの人と連携することも多いので、チームとして一つの結果を出すというやりがいもあります。